夏の朝、空に向かって懸命に花を咲かせる朝顔。
鳩羽鼠(はとばねずみ)に染められた麻生地に、伸びゆくツルのシルエットをろうけつ染めし、
涼やかな花を浅葱色や紺青で手描きした、粋な本格のれんです。
朝顔は千利休が好んだ花としても有名ですね。
いくつかの逸話のひとつ、「一輪の朝顔」の紹介しますと・・・
利休がその庭に咲き誇った朝顔が見事なので、豊臣秀吉を「朝顔を眺めながらの茶会」に誘い、
秀吉は「利休が誘うほどだから、さぞかし見事な朝顔であろう」と期待します。
ですが、秀吉が利休の屋敷を訪れると、庭の朝顔は全てその花が切りとられていて、
一輪だけ、茶室に朝顔が飾られていました。
一輪であるがゆえに、侘びの茶室を見事に飾る。
これを見て、秀吉は利休の美学に感嘆したといいます。
利休の思惑を感じずにはいられないエピソードですが、
茶室での戦国のトップクラスの二人の姿を思い浮かべると、
その緊張した侘びの空間の中に一輪ある朝顔の「凛とした」美しさも同時に想像してしまいますね。
それはきっと、見事な青紫の朝顔ではなかったかと思えてしまうのです。
麻生地は、透け感のある変り織で、鳩の羽の色に似た紫みの灰色に染められています。
伸びやかな手描きの朝顔の花と、シルエットとしてろうけつ染めされた葉が、
先の逸話を彷彿とさせる、とても粋なのれんです。
■ サイズ 約88センチ×約150センチ
■ 素材 生地・・・ 麻100%
■ 原産国 中国
【商品の特徴】
※商品画像はできるだけ実商品に近い色に合わせておりますが、ご覧になるディスプレイのモニターの環境により、実際の色と多少異なる場合がございます。また、1点1点手仕事によって作られた商品のため、気温や湿度などにより染上がりの色が写真と若干異なる場合がございます。予めご了承くださいますようお願いいたします。
※商品に使用している生地は天然手紬ぎの麻生地になります。そのため、生地の幅に多少ムラがある場合や、生地に黒っぽい線が入っている場合がございます。天然素材のもつ味わいのある風合いですのでご理解の上、ご購入くださいますようお願します。